SEND コマンド (MVS/TSO)

ホスト・システムが MVS/TSO の場合、SEND コマンドの書式は次のようになります。

図 1 に、ユーザーが指定する必要のあるコマンドと情報を 示します。以下に示すとおりに (括弧も含む) 入力してください。ただし、大文字 と小文字のどちらを使用してもかまいません。
注:
  1. ブランク・スペース文字 は、スペースの挿入を意味します。h:fn の間にスペースがあってはなりません
図 1. MVS/TSO の SEND コマンドの構文
REQTEXT
 A 
送信するファイルのあるworkstation・ドライブ名およびパス名。
 B 
送信するworkstation・ファイルの名前。
 C 
送信先のホスト・セッション ID とデータ・セット名。
 D 
送信したファイルを区分データ・セットに保管する場合は、メンバー名を指定します。
 E 
データ・セットのパスワード。
 F 
転送中にファイルに加えられた任意の変更。複数のオプションを指定できます。有効なオプションは、以下のとおりです。
  • APPEND
  • ASCII
  • BLKSIZE(n)
  • CLEAR
  • CRLF
  • LRECL(n)
  • NOCLEAR

    ホストで ISPF コマンド・モードに入っているときにファイル を転送する場合は、必ず NOCLEAR オプションを指定してください。

  • PROGRESS
  • QUIET
  • RECFM(x)
  • SPACE(n[,n1]) unit
  • TIME(n)
MVS/TSO の SEND コマンドのパラメーターについて、以下に説明します。
SEND
コマンドです。
d:
送信するファイルを保管するディスケットの ドライブ名またはハード・ディスクのドライブ名が、デフォルトの指定と異なるとき に指定します。
path
送信するファイルが存在するディレクトリーを示すパスを指定します。
filename.ext
送信するファイルの名前を指定します。ファイルに拡張子がある場合は、 拡張子も指定します。
h:
ファイルの送信先の MVS/TSO ホスト・セッションの名前を指定します。この名前は、ホストが 1 つだけの場合は省略できます。ホストが複数ある場合は、MVS/TSO ホスト・セッションの ID を指定します。デフォルト値は A です。
data-set-name
送信したファイルが MVS/TSO ボリューム上で持つべきデータ・セット名。 この名前は必須です。完全修飾データ・セット名を指定する場合は、データ・セット名とメンバー名を 一重引用符で囲んでください。

このオプションでは、新しく名前を作成するか、または TSO ボリューム上に既にあるデータ・セット名を使用します。新しい名前を指定した場合、送信したファイル が MVS/TSO ボリュームに追加されます。既存のデータ・セットの名前を指定した場合、 送信したファイルが既存のデータ・セットの内容を置き換えるか、または 既存のデータ・セットに追加されます。APPEND オプションを参照してください。

(member-name)
送信したファイルを区分データ・セットに保管する場合は、メンバー名を指定します。member-name を指定する場合、LRECL(n)、BLKSIZE(n)、 RECFM(x)、SPACE(n,[n1]) unit は指定できません。
注: 他のユーザーが区分データ・セットを使用している場合、 ユーザーの MVS/TSO ホストにファイルを送信することはできません。
/password
TSO データ・セットにセキュリティーのためのパスワードがあれば、指定します。
options
次のオプションを指定できます。
APPEND
送信するファイルを既存の MVS/TSO データ・セットの終わりに追加します。このオプションを指定しないと、既存の MVS/TSO データ・セットが転送したファイルによって 置き換えられます。APPEND オプションを指定する場合は、LRECL(n)、RECFM(x)、SPACE(n[,n1]) unit、および BLKSIZE(n) オプションを指定しても無効になります。
注: 区分データ・セットのメンバーにデータを送信するときは、 このオプションは使用できません。
ASCII
次の処理を行います。
  • workstationの 1 バイト・コードを EBCDIC コードに変換します。
BLKSIZE(n)
MVS/TSO ボリューム上の新しいデータ・セットのデータ・ブロック・サイズを指定します。このパラメーターの指定は任意です。新しいデータ・セットのブロック・サイズを設定するには、n に新しいサイズを指定します。このオプションを指定しない場合、 ブロック・サイズは次の方法で決定されます。
  • レコード形式が可変長の場合、ブロック・サイズは 6233 になります。
  • レコード形式が固定長の場合、ブロック・サイズは 6233 未満のレコード長の 最大倍数になります。
    BLKSIZE = LRECL * (6233/LRECL)
このオプションは、(member-name) または APPEND オプション と同時には指定できません。
CLEAR
ファイル転送を開始するときに、workstation・ウィンドウをクリアします。
CRLF
復帰コードと改行コードをグローバルに使用します。表示または編集するテキスト・ファイルやソース・ファイル (SCRIPT ファイルなど) を 送信する場合は、ASCII オプションと CRLF オプションを指定する必要があります。バイナリー・ファイルには指定する必要はありません。
LRECL(n)
MVS/TSO ボリューム上の新しいデータ・セットのレコード長を指定します。n には、1 つのレコード当たりの文字数を表す 1 ~ 32760 の範囲の整数を指定します。新しいデータ・セットのレコード長を設定するには、n に新しいレコード長を指定します。このオプションを指定しないと、レコード長は、 固定長レコードの場合は 80 に設定され、可変長レコードの場合は 255 に設定されます。このオプションは、(member-name) または APPEND オプション と同時には指定できません。
NOCLEAR
このオプションを指定すると、ファイル転送を開始するときに Clear コマンドを ホストに転送しません。このオプションは ISPF コマンド・モードで転送するときに必要です。
PROGRESS
ファイルの転送中であるか、ファイル転送が既に終了しているかを示す メッセージを表示します。このようなメッセージでは、現行の転送済みバイトは表示されません。
QUIET
メッセージを表示しません。
RECFM(x)
MVS/TSO ボリューム上の新しいデータ・セット用のレコード形式を指定します。ここで x は V、F、または U であり、データ・セットのレコードが可変長なら V、固定長なら F、未定義なら U を x に指定します。

このオプションを省略すると、ホスト・データ・セットのレコード形式は、CRLF パラメーターの設定によって決定されます。CRLF を指定すると、データ・セットには可変長レコードが含まれます。CRLF を指定しない場合、固定長のレコードが含まれます。このオプションは、(member-name) または APPEND オプション と同時には指定できません。

SPACE(n[,n1]) unit
MVS/TSO ボリューム上の新しいデータ・セットのスペースの大きさを指定します。新しいデータ・セットに特定の数のブロック、トラック、シリンダーを設定する場合に、 次の指定を行います。
  • unit にスペースのタイプ (AVBLOCK、TRACKS、CYLINDERS のいずれか) を指定します。
  • n に、データ・セットが占めるスペースの大きさ (選択したスペース・タイプ単位) を指定します。
  • n で指定したスペース以上のスペースがデータ・セットで必要になった場合、n,n1 (この場合の n1 は必要になった場合にだけ使用する追加スペースの大きさ) を指定します。
SPACE オプションで指定する値は、MVS/TSO の ALLOCATE コマンドで指定する値と 同じです。

SPACE オプションを指定しないと、1 ブロック分のスペースが取られます。ブロック長は BLKSIZE (n) または LRECL (n) オプションで指定された値になります。このオプションは、(member-name) または APPEND オプションと同時には指定できません。

TIME(n)
ホストからエラー・メッセージが送信されるまで、プログラムがホスト の応答を待つ時間を 30 秒単位で指定します。値 n は、0 から 2184 の範囲の整数値です。0 を指定するとタイムアウトは設定されません。デフォルトは 1 です。 処理の終了前にエラー・メッセージが出されないようにするため、 適切な値を指定してください。パケット・サイズが大きい場合、ブロック・サイズが大きい場合、または通信回線の処理速度が遅い場合 ( や COM ポートなど) は、5 (150 秒) が推奨値です。TIME と (n) の間には、ブランクのスペースを入れてはなりません。